60歳を迎えたら障害年金を見直してみよう

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国民年金などの公的年金に加入していた人が、不測の事態で身体や精神に障害を負ったときに頼れるのが障害年金です。しかし、障害年金を受け取るためには、加入条件で注意しなければいけないポイントがあります。また、障害年金を受給できるようになった場合でも、60歳を迎えた人には検討してもらいたい手続きがあるので忘れずに確認しましょう。

そもそも障害年金は他の年金とどう違うのだろう

年金といえば、国民年金や厚生年金などを思い出す人がいるでしょう。国民年金が主に自営業者が加入する年金制度であるのに対し、厚生年金はサラリーマンなどが加入する年金制度になります。国民年金の掛け金は加入者によって支払われるのに対し、厚生年金は加入者と掛け金を折半して勤務している会社でも支払ってくれるのが特徴です。

つまり、加入者が同じ金額の掛け金を納めた場合でも、会社でも負担してくれる厚生年金の方が、後々になって受け取れる金額がアップする仕組みです。老後の生活を考えたときには、厚生年金に加入している方が国民年金よりもより豊かな生活が期待できます。

一方、障害年金は、国民年金や厚生年金などに加入していた人が、不慮の事故や病いで身体や精神に障害を負ったときに受け取れる年金制度です。実は国民年金の加入者が利用できるのは障害基礎年金ですが、厚生年金の加入者が利用できるのは障害厚生年金になります。

制度の役割としては同じですが、年金制度の性質の違いから、支援される金額や対象者の範囲が両者で異なります。

障害基礎年金を受けるには

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障害基礎年金は、20歳未満の人や60歳以上65歳未満で年金未加入者を含み、国民年金を一定条件で加入している者が対象者になれます。注意しなければいけないポイントとして、20歳未満の人を除き、事故病いで診察を受けた月の前々月までの1年間、年金の保険料に未納がないこと、または加入期間の3分の2以上の月で納付または免除の手続きが行われていることが受給申請の条件となります。

どちらの条件にも当てはまらない場合には、障害基礎年金を受け取ることができません。アルバイトやフリーターとして働いていて自分で国民年金を支払っている人は、納付状況に注意しましょう。年金というと高齢者になってもらうものと思う人もいるかもしれませんが、若い年代でも事故や病いなどで障害を負ってしまう可能性があるだけに、年金制度の役割を知っておく必要があります。

障害基礎年金には、その障害の程度に応じて1級と2級が設けられています。

さらに詳しく障害基礎年金を知る

障害基礎年金で1級に該当すると判断された場合には、年間77万9300円の1.25倍にプラスして養育している18歳未満の子どもや障害者認定を受けた20歳未満の子どもの数に応じて加算が認められています。

1人目の子どもに対して22万4300円、2人目の子どもにも同額、3人目からは1人増える毎に7万4800円追加されます。

一方の2級に該当すれば、年額77万9300円に加えて、子どもの金額が1級と同じ条件で加算され障害年金として受け取れます。1級または2級に該当し障害基礎年金を受け取っている人が60歳になると、国民年金の受給対象者になります。

もっとも、本来なら65歳で受給できる国民年金ですが、繰り上げ受給の手続きを行うことで年金を早目に受け受け取ることも可能です。注意したいのは、老齢年金である国民年金と障害基礎年金の両方を受給することは原則認められていません。

60歳になり国民年金を受けると、障害基礎年金の受給資格を失います。

障害年金に必要な用紙はどこで入手するの?その種類と内容について知ろう!

幅広い支援が期待できる障害厚生年金とは

厚生年金に加入していた人が、何らかの原因で身体や精神に障害を負った場合に、障害厚生年金を受け取ることが認められます。障害厚生年金の大きな特徴として、1級から3級までの3段階で幅広い支援を受けられることです。

1級と2級については、障害基礎年金で定められていた77万9300円ではなく、報酬比例の年金額に変わり、より多くの収入がある人には受給できる金額もアップされる制度に変更されています。

さらに、老齢基礎年金では子どもの数によって加算されましたが、障害厚生年金では子どもの加算にプラスして配偶者にも22万4300円の加算が可能です。

障害厚生年金には、もっとも受給資格が緩やかな3級が設けられていて、保険額に関われず58万4500円の年額が認められています。厚生年金は、加入者と加入者の所属する会社が折半して保険料を納めているので、障害になってしまったときのサポート面でも手厚いことが分かります。

厚生年金の場合、以前は60歳から受給が認められていました。しかし、段階的に65歳まで引き上げています。ただし、国民年金同様に60歳から繰り上げ受給を申請することは可能です。注意点としては、国民年金のとき同様に厚生年金と障害厚生年金の両方を満額で受け取ることはできません。

60歳になったら受給している障害年金を見直そう

国民年金の加入者の場合、定額の支給額に養育している子どもの数で年額が決定します。家族構成にもよりますが、加入者が60歳になる頃には、子どもたちが成人している可能性も高いでしょう。そうなれば、受給額は、1級の場合で約77万円の1.25倍の約96万円だけ、2級の場合には約77万円だけということも起こり得ます。

場合によっては、国民年金に切り替えて受給した方がお得になるでしょう。つまり、障害基礎年金を受給し始めた年齢や受給してから国民年金の保険料を免除申請していたなどの条件によって、障害基礎年金のままか国民年金に切り替えた方がいいのか変わってきます。

基本的には、厚生年金に加入していた場合も国民年金と同じです。障害厚生年金と厚生年金を同時に受けることはできません。また、障害になったときに厚生年金に加入していて、その後は国民年金に変更した場合には老齢年金は国民年金となります。

この場合には、受給している障害厚生年金と国民年金の金額で比較します。配偶者の加算が認められている障害厚生年金の1級または2級を受給していれば、そのまま障害厚生年金を受給した方がお得になる場合もあるでしょう。

また、65歳に老齢年金に変更すれば、繰り上げ受給による損失も無くなるので、60歳だけでなく、他の年齢でも比較しておけば、年金制度をさらに上手に活用できます。一般的に厚生年金は国民年金に比べて手厚いサポートが期待できるので、老後の生活だけでなく事故や病いで障害を患ったときも考え、若いときから年金制度に関心を持ちましょう。