障害年金の額改定請求とは?

年金手帳13

障害年金は、病気やケガなどの程度が生活の支障となる程度に存在し、働くことが困難な場合に受け取ることができる年金制度です。現在や今後の生活に不安を抱いている人にとっては、金銭面での補償をしてくれる大切な制度で、受給中に障害の程度が重くなった時には、額改定請求を提出することで受給金額を増額できるケースもあります。

こちらでは障害年金の額改定請求について解説します。

障害年金には種類がある

障害年金と言うと1種類のみと思われがちですが、実は私たちが加入している公的年金制度によって、障害年金の種類も異なってきます。まず、障害基礎年金というものがあります。これは、原因となる病気やケガをしてから医師の診断を初めて受けた時に加入している公的年金制度が、国民年金の場合に適用される障害年金です。

自営業者や学生、アルバイト、厚生年金加入者の配偶者や初診日に20歳になっていなかったため年金に加入していない人などが該当します。もう1つ、障害年金の種類として障害厚生年金があります。これは病気やケガの後の初診時に、厚生年金に加入していた人を対象とする障害年金です。

障害厚生年金は、20歳になっていなかったとしても、働いていて厚生年金に加入していれば受け取ることができます。他にも障害手当金というものがありますが、これは障害厚生年金の対象者であるものの、障害の程度が比較的軽度で障害厚生年金の受給までは至らなかった場合に支払われる一時金で、年金とは異なります。

障害年金の金額は種類と等級によって決まる~障害基礎年金の場合~

障害年金でどのくらいの金額を受給できるのかは、前述した障害年金の種類と、障害の等級によって決まります。まず、障害基礎年金ですが、受給対象となる等級は1級と2級とがあります。おおよその目安として1級の障害程度は、「1人では日常生活を送ることが困難な状態」です。

例えば、心臓移植を受けた場合や人工心臓を取り付けた場合、遷延性植物状態という意識がない状態にある場合に該当します。2級の該当基準は、「日常生活が著しい制限を受けている状態」です。CRT・CRT-Dという心臓再同期療法を受けている人、人工透析を受けている人などが該当します。

そして、1級の等級に該当する場合には、年間で97万4,125円が支給されます。2級に該当する場合には、77万9,300円が支給額です。

さらに、障害基礎年金受給者に子供がいる場合には、年金額に子供の存在を考慮した額が上乗せして支給されます。1級・2級ともに子供が2人までは、1人につきそれぞれ年間22万4,300円が上乗せされます。

3人目以降は年間7万4,800円が上乗せされます。ここで言う「子供」とは、年齢が18歳未満か、20歳未満で障害の等級が1級か2級に該当する障害者を言います。このように、障害基礎年金の場合の金額は、等級と子供の人数によって決まります。

障害年金更新は診断書の記載内容で決まる

障害年金の金額は種類と等級によって決まる~障害厚生年金の場合~

一方、障害厚生年金の対象者となる障害の程度には1級から3級まであります。1級と2級の該当基準は、障害基礎年金の場合と同様です。そして3級は、「労働が制限を受けている状態」であることが基準となります。具体的には心臓ペースメーカーや人工弁を装着していたり、24時間在宅酸素療法を受けている人が該当します。

障害厚生年金の1級に該当する人は、「報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級の金額」を受給します。2級の場合は「報酬比例の年金額+障害基礎年金2級の金額」が受給額となります。そして3級に該当する場合は、「報酬比例の年金額」を受け取ることができます。

「報酬比例の年金額」というのは、これまでの厚生年金加入月数や給与水準によって、個々に決まる金額です。最低保障額は年間で58万4,500円となっています。また、障害手当金を受給できる場合の金額は、「報酬比例の年金額の2年分」です。

額改定請求とは?

額改定請求というのは、障害年金を受給している途中で症状が重くなってしまった時に、等級を上げて受給額の増額を図る手続きのことです。額改定請求はいつでもできるというわけではなく、原則として受給権を取得してから1年が経過していないと行うことはできません。

そして、「受給権を取得した日」がいつになるのかは、最初に障害年金の手続きを行ったタイミングによって変わります。まず「認定日請求」の場合には、「認定日」が受給権を取得した日になり、認定日から1年が経過した翌日から、額改定請求をすることができます。

「事後重症請求」の場合、受給権を取得した日は「請求の受付日」です。障害年金の決定通知が届いた日ではないため、注意が必要です。ちなみに「認定日請求」というのは、障害認定日とされている、初診日から1年6カ月を経過した日かそれ以前に傷病が治癒した日に、障害の等級に該当していたため、そのまま行う障害年金の手続き方法です。

「事後重症請求」というのは、障害認定日には等級に該当しなかったものの、その後に状態が悪化して等級に該当するようになった場合に行う請求手続きです。自ら行う額改定請求とは異なりますが、障害年金の受給が決定した後で日本年金機構から送付されてくる「障害状態確認届」を提出した際、等級が据え置きになるケースがあります。

この時には1年経過しなくてもすぐに額改定請求をすることが可能です。また、「障害状態確認届」を提出したところ状態が軽くなったと診査され、年金受給額が下がることもあります。

この場合には、「障害状態確認届」を提出した月から3カ月後の1日を基点として、さらに1年が経過していないと、額改定請求をすることができません。加えて、「障害状態確認届」を提出したところ、症状が軽くなったとされて受給額の減額どころか年金が支給停止になることがあります。

その際は1年を待たなくとも、いつでも「支給停止事由消滅届」を出すことができます。届出を出して内容が認められれば、年金支給が再開されます。では、額改定請求や障害状態確認届の提出によって等級が変わった場合、年金額はいつから変わるのでしょうか。

減額や支給停止の場合には、障害状態確認届を提出した月から数えて4カ月後から、支給停止となったり金額が減額されます。増額改定の場合には提出した月の翌月から増額になります。

額改定請求の手続き方法

額改定請求を行うためには、額改定請求書と共に病状を証明するための医師の診断書などを添付して行います。手続き自体は容易にできますが、医師の診断書には現在の症状を正確に記入してもらうことが必要で、額改定に成功することはそれなりにハードルが高いとされています。

どうしても額改定請求を成功させたい場合には、社会保険労務士などに相談してみるのも良いかもしれません。